通信方式の分類について
ネットワークの分野で通信通信と一口にいいますが、通信にも幾つかの方式があります。
ここでは、その紹介と説明をしていきます。
この記事は通信とか回線がゲシュタルト崩壊する可能性を孕んでいます。
通信回線の使い方による分類
これには「回線交換方法」と「パケット交換方式」があり、
それぞれ特徴をもっており、場面によって使い分けられています。
- 回線:信号の通り道のこと。「物理的な回線」と「論理的な回線」が存在する。
回線交換方法(回線占有方式)
その名の通り、回線を交換(占有)して通信を行う通信方式です。
これが一番イメージしやすい(ごく普通に思いつく方法)だと思います。
画像のAさんとEさんが通信したいとします。
すると、回線交換機は空いている回線を使ってAさんとEさんを物理的に接続します。
こうして、Aさん→Dさんの物理的な回線が確立したため、通信が可能となります。
利点
- 通信の品質や速度を一定に保つことが容易
- 回線を占有しているため、安定しやすい
欠点
- 物理的な通信回線数によって、確立可能な通信の数が制限される
- 途中で回線が切れた場合、最初から通信確立手順のやり直しが必要となる
図のオレンジの部分の回線は占有されているため、他の人は使うことができません。
よって、この図の場合だと1対1の通信を2つしか確立できません。
この方式は、(IP電話等を除いて)電話が一番わかりやすい実用例だと思います。
パケット交換方式
こちらは聞き慣れないかもしれません。
送りたいデータを「パケット(小包)」に分割して送る、という方式になります。
↑のように、パケットにヘッダーが付いているため宛先側で再構築することが可能です。
これを先程と同じメンバーの所に落とし込むと...
のような形になります。
Aさん→Eさん、Cさん→Fさん、Bさん→Dさん
それぞれの通信が一つの回線で実現できることがわかるかと思います。
一般にパケット交換機は「ルータ」と呼ばれます。
利点
- 同時通信の数に、回線数による制限がない
- 1対多の通信ができる
- パケットのエラーや喪失は、そのパケットだけ再送することで解決できる
- 他のパケットは届いているため、損失したパケットのみ送り直せばいい
欠点(?)
- 通信の品質や速度が、回線の混雑状況によって変化する
- 空いている:高速、高品質
- 混んでいる:低速、品質の劣化(エラーの増加)
相手の存在を確認するかどうかによる分類
コネクション型通信
- コネクション:物理的な回線とは関係なく、通信相手との間に存在する論理的な通信路
この通信は、相手が存在するかどうかを確認し、コネクションを確立して通信を行います。
特徴
基本は1対1の通信で、信頼性が高い。
1ビットの誤りも許されないようなデータを送るようなときに使用されます。
コネクションレス型通信
この通信は、名前の通りコネクションを確立せずに通信を行います。
つまり、相手がいてもいなくてもお構いなしに一方的に通信を開始します。
特徴
信頼性は高くないですが、コネクション周りの処理が無い分、高速な通信が可能です。
1対多や放送のような一斉送信が可能です。
ストリーミングデータ(例:youtubeの動画)などは品質よりも速度を重視するため、コレが用いられます。
コネクション型通信とコネクションレス型通信は、
用途によって使い分けます。
通信対象をどう選ぶかによる分類
ユニキャスト
1対1の通信
ブロードキャスト
1対全体の通信
マルチキャスト
1対特定の多数の通信
エニーキャスト
1対特定のグループ内のある条件を満たす1つの相手の通信
まとめ
ざっとこんなもんでしょうか。
一口に通信といってもたくさん方式があるんですね。
色々とゲシュタルト崩壊してきたので、この辺にしておきたいと思います。
またそれぞれ詳しく掘り下げたり、主要プロトコルの話とかもしていきたいです。